秋花(アキハナ) イエロー配色作成しました。
今回も某印刷屋さんのワークスペースを借りて作業しました。
2度目だからもうちょっと段取り良くできるだろうと思っていましたが、まだまだです。どうやれば、美しくきれいに段取り良くスピーディーに製版できるのだろうか。まあそもそもハンドスクリーンなので、どうしても手間がかかり仕上がりもカスレや滲みや版ずれが起きてしまう、むしろそこが手刷りの味ですが、やっぱりやるからにはきれいに刷りたい!
なので、刷る手順をここでご紹介します。
まずは生地にアイロンかけてシワをとる。簡単なことですが、大きな生地だとこれも一苦労。(この柄は幅110cm×200cmくらいの大きさで、作業机に広げて少し端が垂れる程度)
次は生地と机を固定します。今回は生地を机の端にマスキングテープで貼りました。
ベタ部分(黄色)から刷っていきますが、その前にインクを混ぜて希望の色を作ります。始めは色の配分を測りながらやっていましたが、微妙な濁りを作りたくてちょっとづつ反対色混ぜたりしているうちに、わからなくなってしまいました。再版することがあれば、間違いなく色ブレしますね。仕方ないです。
端から版をセットして、版の角に印をつけて横リピートの幅(今回は32cm)づつ印をつけていきます。ここ大事!
いよいよ端から刷っていきます。
1リピート分空けながら刷っていきます。
しっかり乾かしてから空いている所に刷っていきます。
一回イエローの版は洗います。
しっかり乾かします。
次に2色目グレーをインクを混ぜてつくります。
始めにつけた印に版を合わして、細かいとこは柄に合わせて微調整しながら位置を決めます。
グレーを刷っていきます。イエローと同じ要領で一つ飛ばしながら刷って乾かして、間に位置合わせてまた刷る。グレーは細かい線画なので、目がつまりやすいです。また位置合わせをする為にも、一度刷ったら版の裏面を拭いて、細かく丁寧にお掃除しながら刷っていきます。これがめっちゃ手間でした。でもおかげで目詰まりすることなく、最後まで製版できました。
やっと一段できました。
ここで一度グレーの版を洗います。
版を長時間放置しているとインクが固まって目詰まりするため、こまめに洗います。
しっかり乾かしてから、机から生地を外して2段目が刷れる位置に調整してまたテープで固定する。
1段目と同じようにイエローから刷っていく。
続いて同様にグレーも刷っていく。
最後まで刷れたらしっかり乾かして、アイロンあてて完成。
この作業だけで2日かかりました。(1日4時間半程度ですが)
なかなか面倒臭い作業ですが、思い通りに仕上がると嬉しくて楽しくて、帰りには次の柄をはやく作りたいと思ってしまう。
最近は高級食材よりも手間ヒマをかけた料理のほうがご馳走だと思うようになってきた。秋はまつたけご飯よりも栗ご飯のほうが栗の皮を剥くのが大変な分、贅沢で美味しく感じる。
刷りの生地をつくるのも手間で面倒な分、つくる時間も含めて贅沢だなと思う。よく見るとズレたりカスレたり滲んだりして、表情豊かなこの生地たちがどうにも愛らしく見える。いつか何かの形になって誰かのお気に入りになったり、大切な人への贈り物の一部になることがあれば、こんなに嬉しい事はない、と思いながらつくっています。
一度にたくさんは作れないけど、いつかそんな素敵なことが起こるまでは、マイペースでこつこつ作っていこうと思っています。
お付き合いいただければ幸いです。